活動について

化学物質・水銀対策

化学物質管理における世界動向とOECCの活動

2002年にヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)で採択された実施計画において、「化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成する」との国際目標が合意されました。これは、2002年にUNEP管理理事会において決議された「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM:Strategic Approach on International Chemical Management)」を実行する上での具体的な目標にもなっており、先進国や途上国も含めた各国ごとでの取り組みが進んでいます。

各国における化学物質管理制度の大きな流れとしては、有害性を基準とした規制から有害性と暴露量を考慮したリスク評価による規制にシフトしてきており、日本における化審法や欧州におけるREACH規則もこのような考え方に基づくものです。もう一つの大きな流れとしては、製造段階における化学物質管理から、使用(消費)、流通、廃棄までを含めたライフサイクルでの化学物質によるリスク管理を行うようシフトしてきており、ライフサイクルを通しての人や環境への影響について考慮することが望まれています。

世界におけるこのような大きな流れの中で、各国ではWSSD2020年目標を達成するために、国ごとの状況に合わせて化学物質管理政策に係る法制度整備の取り組みが進められています。

OECCでは、このような時々刻々と変化する化学物質規制への国際潮流へ対応するため、海外の行政官等による国際的な化学物質規制に関するセミナーの企画・開催や各国での化学物質規制の最新動向の提供などを実施し、行政と業界が垣根を越えて官民一体となって情報の共有・連携を行っています。またインドネシアやベトナムなど、途上国における化学物質管理政策の支援等の活動も実施しています。

タイの化学物質管理政策の最新動向セミナー(東京にて)

2016年12月 タイの化学物質管理政策の最新動向セミナー(東京にて)

水銀対策

水銀は、常温・常圧で液体である唯一の金属であり、様々な金属と合金を形成することから、古くは奈良の大仏での金メッキ形成に使用されるなど、様々な水銀特有の特性を活かして広い分野において利用されてきました。しかしながら、その有毒性や公害問題から、その使用量は世界的に減少傾向にあります。

2013年10月に水俣市で開催された外交会議において「水銀に関する水俣条約」(Minamata Convention on Mercury)が採択され、EUを含む92か国が条約への署名を行いました。この条約は、水銀及び水銀化合物の人為的排出から人の健康及び環境を保護することを目的としており、採掘から流通、使用、廃棄に至る水銀のライフサイクルにわたる適正な管理と排出の削減を定めるものです。日本は、2016年2月2日に本条約に締結したほか、2017年5月18日には批准国数が条約発効に必要な50カ国に達し、同年8月16日に発効することが決まりました。日本政府は、同条約に基づいて水銀対策を進めていく必要性を改めて認識し、決意を新たに国内外での取組を進めています注1)

OECCでは、水銀使用量の世界的な削減に向けて、日本で有する水銀対策技術を途上国でも活用できるよう支援活動を進めています。具体的には、苛性ソーダ工場で使用される水銀使用量の抑制や水銀廃棄物対策などがあげられ、中南米諸国やアジア諸国への技術支援・導入の可能性について検討を進めています。また、水銀対策の意識向上のため2015年に水俣市で開催されたイベントの支援や、2016年にヨルダンで開催された水銀に関する国際会議(INC7)への参加等も実施しました。

注1)「水銀に関する水俣条約」は50か国が締結してから90日後に発効される

ヨルダンで開催された水銀に関する国際会議(INC7)にて

2016年3月 ヨルダンで開催された水銀に関する国際会議(INC7)にて