活動について

開発途上国の気候変動計画策定・実施支援

国連気候変動枠組条約で求められる気候変動計画策定・実施(NAMA, INDC, NAP)

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)では、従来先進国が率先して対応してきた気候変動緩和について、開発途上国にもその取組を求めるようになりました。2007年に決定された「バリ行動計画」では、「途上国内における適切な緩和行動(Nationally Appropriate Mitigation Actions: NAMA)」の検討が取り上げられ、2010年のカンクン合意では、これを2020年までの間、測定・報告・検証可能な形で(measureable, reportable, and verifiable)実施することが決められました。2015年のCOP21(パリ)で採択されたパリ協定においては、2020~2030年までの取組として、「各国が自主的に決定する約束草案(Intended Nationally Determined Contribution: INDC)」の実施が決定され、協定の中心部分をなしています。さらに、気候変動への適応の分野においては、各国は「国別適応計画」(National Adaptation Plan)を策定・実施することが求められています。

OECCでは、UNFCCCにおける気候変動交渉の流れを踏まえるとともに、日本国内の気候変動計画策定・実施及びモニタリングの手法を参考にし、開発途上国の計画づくりの支援を行っています。例えば、カンボジア・ベトナム・モンゴル・ラオスにおいては、環境省の委託事業の下、それぞれ再生可能エネルギー、廃棄物、発電、運輸交通の分野において、NAMA策定のための支援を行いました。

さらに、ベトナムにおいては、JICAの支援の一環として、天然資源環境省(MONRE)や各セクター担当の省庁を支援するための、INDCの実施を具体化するための低炭素技術評価を実施中です。

マスタープランの一環として実施した市民対象の都市緑化活動

2015年7月 マスタープランの一環として実施した市民対象の都市緑化活動(タイ・バンコク都)

ケーススタディやマニュアルづくり

国や都市レベルでの気候変動計画策定支援の経験を活かし、OECCでは、気候変動計画にかかるケーススタディやマニュアル作りを行っています。例えば、アジアの開発途上各国政府や世界資源研究所(WRI)等と共同出版した「NAMA Guidebook」では、気候変動緩和の実施を行うステップとして、以下のような作業をしています。また、各国における取組のケースを分析し、経験の移転を促進しています。

  • GHG排出の成り行きシナリオ(business-as-usual:BAU)と緩和目標の設定*
    (*特に、積み上げ方式による目標設定)
  • GHG排出削減を実現する政策措置の提案
  • GHG削減策を実現する低炭素技術の提案
  • 緩和策実施のモニタリング評価、GHG削減の測定・報告・検証(MRV)の実施
  • 計画実施のための組織体制の構築・強化

NAMAガイドブック

NAMAガイドブック

さらには、JICAによる気候変動プログラムローン(SP-RCC)の取組の一環として、ベトナムにおける国家気候変動戦略(National Strategy on Climate Change)実施にかかる報告制度強化を支援するため、各省向けのマニュアルなども作成しています。