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活動について

二国間クレジット制度(JCM)

JCMにおけるOECCの役割

OECCは民間企業等による海外でのGHG排出削減プロジェクト実施を日本政府が支援する二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)において、その創成期(2013年)から制度普及の中心的な役割を果たしてきました。パートナー国の現地政府や日本企業と連携して、現地の開発ニーズに基づいた脱炭素インフラ導入および日本企業の海外展開やJCMプロジェクト開発について専門の知見・ノウハウを有した職員が支援しています。また、JCM、炭素取引に係る市場メカニズムや炭素市場の動向を調査し、COP等の国際交渉にも参画することで得た最新情報をOECCが運営する環境省ウェブサイト「炭素市場エクスプレス」を通じて国内外へ発信しています。さらに、JCMプロジェクトやGHG排出削減量を第三者機関が審査するプロセス(妥当性確認・検証)の支援も行っています。

※OECCのプロジェクト形成支援の実績はこちら(PDF)

COP27におけるサイドイベント開催の様子

 

再生可能エネルギー発電所の建設前の関係者との調整

 

取組事例:送配電網へのアモルファス高効率変圧器の導入事業の開発

OECCは、上述の通り、事業開発からJCMプロジェクト化までをサポートしています。その1つとして、ベトナムでは配電網へのアモルファス高効率変圧器の導入事業を支援しました(事例紹介サイト内ページ)。同事業は、従来のシリコン型変圧器を高効率なアモルファス変圧器に入れ替えることで電力系統の配電ロスを低減し、CO2排出を削減するもので、OECCが日本企業と共にアモルファス鉄心の輸出及びそれを用いた現地での変圧器の現地生産化を進めました。その上で、地域電力公社への事業提案を行い、日本政府が提供するJCMの資金支援制度を活用することによって10,000台以上の導入を実現しました。今では、アモルファス変圧器がトップランナー技術として現地の電力公社調達の基準となり、現地生産により価格低減が促進され、支援制度に依らない低炭素技術の普及に発展しています。

アモルファス変圧器の段階的普及

 

民間資金によるJCM案件形成とJCMクレジット活用の支援

日本政府はこれまで補助金等の政府資金を活用したJCM案件の形成を推進してきました。地球温暖化対策計画ではJCMの実施により2030年度までに1億トンの温室効果ガスの削減・吸収するとの目標を定めており、その達成に向けて民間資金を中心としたJCMプロジェクトの形成も重要となっています。OECCでは、これまでのJCM案件の形成支援に基づく知見やネットワークを活かして、民間JCMプロジェクトの形成を支援しています。また、昨今、民間企業等によるカーボン・クレジット活用への関心が高まっていることから、民間JCMに加え、他のカーボン・クレジット創出やクレジット取引・使用まで含めたJCM促進のための総合的な支援を提供していきます。

 

JCMおよび市場メカニズムに関する情報発信

OECCが運営する情報プラットフォームウェブサイト「炭素市場エクスプレス」(環境省ウェブサイト)では、JCMおよび市場メカニズムに関する各種の情報を提供しています。

解説ページ:市場メカニズムの国際動向(環境省ウェブサイト)

国際的な気候変動対策の枠組みであるパリ協定の第6条では、世界の温室効果ガスの排出削減を効率的に進めるための市場メカニズムの活用について規定されています。本ページでは、パリ協定6条を中心として、「森林減少・劣化からの温室ガス排出削減(REDD+)」や「国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム(CORSIA)」などの様々な市場メカニズムの取組を分かりやすく紹介しています。

JCMおよび市場メカニズムの最新動向に関するコラム(環境省ウェブサイト)

本コラムでは、世界各国で実施されているJCM案件の優良事例を紹介しています。JCMは温室効果ガスの排出削減だけでなく、開発途上国の持続可能な開発や事業者のサステナブル経営の推進にも貢献しており、幅広いJCMの便益(マルチベネフィット)に着目した事例紹介をしています。また、それ以外にも国際会議でのサイドイベントやウェビナーの傍聴記録を掲載し、炭素市場やカーボン・クレジットの最新動向をタイムリーにお伝えしています。