低炭素社会構築

2009年1月26日現在

 「京都メカニズム情報プラットフォーム」と「カーボン・オフセットフォーラム」を基盤として、日本だけでなく途上国を巻き込んだ国際社会全体での低炭素社会構築へ向けて、京都メカニズムやカーボン・オフセットの取組を行う事業者等からの相談支援、情報収集・提供、普及啓発等を実施しています。 また、途上国で顕在化している環境汚染問題と地球規模での取組が求められる温暖化問題の解決に同時に貢献する取組を推進する「コベネフィット・アプローチ」に基づいて、二国間協力やアジア太平洋地域を中心とした取組の推進を実施しています。

京都メカニズム相談支援業務

平成21年2月現在

1997年12月に開催された国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)第3回締約国会議(COP3)において、日本を含めた先進国の温室効果ガス排出削減目標を具体的数値として約束した「京都議定書」が採択されました。日本・EU諸国をはじめとする先進国と中国・インド・ブラジルなどの途上国の多くの国々も批准をし、2005年2月に京都議定書は発効を迎え、2008年には2008年~12年の5年間という第一約束期間がスタートしました。京都議定書には、各先進国の削減目標を達成するため、柔軟性措置として「クリーン開発メカニズム(CDM)」や「共同実施(JI)」等のいわゆる「京都メカニズム」と呼ばれる市場原理に基づいた仕組みの活用が認められています。第一約束期間を目前に控えた2006年には環境省および経済産業省による「京都メカニズムクレジット取得事業」が開始され、京都議定書に定められた日本の削減目標6%の確実な達成に向けて積極的な取り組みが一層推進されています。
日本政府が負っている温室効果ガス排出量の6%削減という目標を遵守するために、京都メカニズムの更なる活用が重要と考えられています。CDM/JI事業の実施に際しては企業をはじめとする民間事業者が主体となることが期待されますが、CDM/JI事業の形成には多様な情報が必要となります。たとえば、国際制度の要件や手続、ホスト国の動向、適用可能技術、認証排出削減量等の認証、炭素市場の動向など多岐にわたっており、その情報収集には相当な労力を要します。そこで、OECCでは、CDM/JIの事業実施を検討している事業者等のニーズを把握した上で、関連する情報を組織的・戦略的に収集・分析し、適切な形態で提供することができれば、広く日本のCDM/JI事業の形成促進に資することができると考え、ウェブサイト「京都メカニズム情報プラットフォーム」を活用し恒常的な情報収集・発信を行っています。また、CDM/JI事業等に関心を寄せる事業者等からの電話・メール・訪問等による問合せに対応する相談支援業務も実施しています。
京都メカニズム情報プラットフォーム」を基盤とした情報の収集・発信と相談支援の事業活動は、既に開始されている日本政府の「京都メカニズムクレジット取得事業」や政府関係機関の取組と連携することで、究極的には日本の京都議定書上の目標達成へと帰結することを目指しています。

コベネフィット型温暖化対策・CDM

コベネフィット型温暖化対策・CDMプロジェクトは、温室効果ガス(GHG)の排出量の削減を実現すると同時に、途上国の「開発ニーズ(経済社会発展の実現を優先課題とする途上国のニーズを指す)」を充足することができるものを指します。つまり、コベネフィット型対策を実施することで、大気汚染の改善や省エネルギーといった途上国の「開発ニーズ」を充足することも可能となります。環境省が中心となっている推進している「コベネフィット・アプローチ」は、主に気候変動対策と環境汚染対策の双方に資する取組の形成・実施を目指しています。
途上国においては経済社会的な開発が優先課題となっていることに留意して、GHGの排出量の削減という「温暖化対策の効果」とともにより多くの便益(コベネフィット)を確保するため、途上国の「開発ニーズ」の充足に資する形で形成・実施されるコベネフィット型温暖化対策・CDMプロジェクト等の促進を目的として。途上国における気候変動に関する取組と経済社会的な開発の両者を同時に促進する手法である「コベネフィット・アプローチ」について、途上国に対する開発援助活動について知見・経験を有する機関・専門家等で構成される検討会等を開催し、調査検討を実施しています。
環境省は、特に「環境汚染対策の効果」に着目してコベネフィット・アプローチに基づいた具体的なコベネフィット型対策の形成・実施を目指して取組を行っています。これは、近年、急速な経済発展等に伴い、水質汚濁等の環境問題が顕在化しつつある中国をはじめとするアジア各国においては、日本の知見を生かした環境対策支援に高い期待が寄せられていることに端を発しています。他方、地球規模の環境問題である温暖化問題については、すべての国によるGHGの排出削減対策の推進が求められていますが、地域の環境保護や開発等に比べ優先順位が低い、対策技術の普及が遅れている等の理由により、GHGの削減余地が大きいものの温暖化対策が進んでいないという現状があります。
このような状況に鑑み、水質汚濁等の環境問題の解決と低炭素社会の構築を同時に実現するため、環境汚染対策と温暖化対策を一体的に進めるコベネフィット・アプローチを推進してきたところです。特に、中国政府及びインドネシア政府と日本環境省は、コベネフィット型対策の推進のための協力を行うことで合意し文書を締結しており、この文書に基づいた具体的なコベネフィット型対策の形成・実施に向けた協力を進めています。 コベネフィット型温暖化対策・CDM OECCは、環境省および関係機関とともに、コベネフィット・アプローチ、具体的なコベネフィット型対策の発掘、コベネフィット型対策によってもたらされる効果の評価方法、コベネフィット型対策に適用可能な技術等について調査検討を行っています。コベネフィット・アプローチに係る取組および関連情報は、ウェブサイト上で発信をしています。

アジア太平洋地域を対象とした取組み

アジア太平洋地域を含む途上国においては、近年環境問題に対する関心が高まってきたものの、依然として経済社会発展が最優先の課題となっています。このような観点から、途上国は温暖化対策の形成・実施においては、途上国自身が抱える環境管理問題や生活基盤の整備の遅れといった社会経済問題および環境問題の解決にも資する形でのプロジェクトの形成・実施を望んでいます。また、気候変動がもたらす負の影響については、これら途上国が優先課題とする経済社会の基盤を危うくし、効果的な開発が阻害される可能性も大きいといえます。開発の推進が国家の主たる課題である途上国にとっては、適応(Adaptation)・緩和(Mitigation)といった地球温暖化対策を形成・実施する際に自国の開発計画・政策と連携・統合した形で行うことが重要であるとの認識が共有されています。
しかし、温暖化対策・環境汚染対策・インフラ整備等をはじめとする開発政策は、従来、異なる分野の取組みとして形成・実施されているため、各分野におけるグッドプラクティス(優良事例)・政策ツール等の情報は散在している状況です。その結果、温暖化対策を開発計画・政策と連携して行うことが重要であると認識されながらも、実際には統合的な視点での形成・実施が困難といえます。従って、実務者が具体的なプロジェクトを形成・実施するにあたって必要な関連情報等を活用できるような環境を整備することが不可欠であるといえます。
 また、適応に関する取り組みを推進する際には、既存の災害対処等に追加的に発生するリスクについての科学的な知見が得られていない状況が第一の問題となっています。そのような科学的知見を基盤に対策を進めることこそ、適切な形で適応問題へ対処を行うことが可能となり、今後途上国における支援の重要な核になると考えられます。
このような背景から、OECCは、環境省の事業の一環として、開発途上国において経済社会的な開発が優先課題となっていることに留意し、温暖化に対する適応対策の形成・実施および温室効果ガス(GHG)の排出量削減ととともにより多くの便益(コベネフィット;Co-benefits)を実現するための措置の形成・実施を目指して、「アジア太平洋地域における適応およびコベネフィットのためのプラットフォーム」構築しました。
また、環境省では、アジア太平洋地域における地球温暖化問題への認識の向上、経験の交流等に貢献することを目的として、1991年から毎年「地球温暖化アジア太平洋地域セミナー(APセミナー)」を開催しています。OECCでは、このAPセミナーの事務局として、2007年にはタイ・バンコクでの第17回APセミナー等の開催に携わりました。APセミナーにはアジア太平洋地域の各国において地球温暖化対策の形成・実施に携わる実務者が参加し、活発な議論が行われます。このセミナーを通じて得た情報や人的ネットワークは、京都メカニズム・コベネフィット等の事業における情報収集・発信等において活用され、恒常的な情報交換および幅広い人的ネットワークの形成へとつながっています。

カーボン・オフセットフォーラム運営業務

平成21年2月現在

カーボン・オフセットフォーラム(J-COF :ジェイコフ)は、平成20年2月に環境省から公表された「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」に基づき、「カーボン・オフセットに関するプラットフォーム」として、2008年4月1日、環境省によりOECC内に事務局が設立されました。

カーボン・オフセットとは、自分の温室効果ガス排出量のうち、どうしても削減できない量の全部又は一部を他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)することを言います。
カーボン・オフセットの取組は、社会の構成員に、地球温暖化問題は自らの行動に起因しておこる問題であることを認識させ、その主体的な削減取組を促進すること、また、地球環境問題や、日本の京都議定書に基づく温室効果ガス削減の目標達成に関心を有する社会の構成員が自ら貢献する機会を提供することができます。

OECCでは、J-COFの活動を通じて、低炭素社会を実現する手段の一つとしてのカーボン・オフセットを推進するため、各界の著名人35名をアドバイザーとして招き、カーボン・オフセットに関する国内外の最新情報の収集、ウェブサイトを通じた情報提供や、各種イベントへの出展を通じてカーボン・オフセットの普及・啓発に努めています。

また、事業者からのメールや訪問による問い合わせに対する相談支援を実施するほか、12名の有識者を委員とする公開課題別ワークショップを開催し、カーボン・オフセットをめぐる課題につき議論の場を提供しております。 カーボン・オフセット 課題別ワークショップにおいては、カーボン・オフセットに関する透明性の確保のあり方、認証のあり方、品質マークのあり方について検討しており、これらの議論を反映させて、適切なカーボン・オフセットの制度構築のため、FAQ、算定方法ガイドライン、情報提供ガイドライン等、各種ガイドライン類を策定しています。

なお、カーボン・オフセットの認証制度、国内の削減・吸収プロジェクトによるオフセット・クレジット(J-VER)の詳細については気候変動対策認証センターのウェブサイトも併せてご参照ください。

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