調査・研究

環境基礎情報収集調査

毎年、技術部会が主催して、環境分野の協力拡大が見込める開発途上国に、会員組織からの公募団員によって構成された調査団を派遣しています。調査団員は、将来の案件形成につなげるべく、事前調査及び相手国環境省、関係機関、国際ドナー機関のヒアリングの実施及び環境施設の訪問を通じて自然環境、大気環境、水環境、生物多様性、廃棄物管理、環境社会配慮といった分野の環境基礎情報を収集しています。
調査実施後は、会員に対して報告会を開催し、発表及び報告書を配布し、その成果を会員間で共有しています。
このプロジェクトでは、日本の環境対策に関する情報発信も重視しており、相手国環境省と共催で環境管理に関する1日セミナーを現地で開催しています。セミナーでは、調査団員から所属組織の紹介及び環境課題のソリューション提案等を発表しています。

実施年/月 調査対象国 参加会員数
2016年09月 スリランカ民主社会主義共和国 9会員 11名
2015年12月 カンボジア王国 4会員 5名
2014年11月 ネパール連邦民主共和国 5会員 7名
2013年09月 ミャンマー連邦共和国 9会員 10名
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    2015年カンボジア
    浅井戸の水質簡易検査
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    2016年スリランカ
    キャンディ市役所訪問

ラオスにおけるSATOビレッジ構想事業

平成20年度より、日本政府が提唱するSATOYAMAイニシアティブを推進するOECCの独自事業として、ラオスにおけるSATOビレッジ構想事業を実施しています。
平成23年6月から6カ月の協力期間で、ラオス北部の地方農村部を対象にした一般公募による複合開発プロジェクトが開始されました。OECCは同年10月に、これまでの活動実績と進捗状況を把握し、今後のプロジェクトの報告性について関係者と協議をするために、中間モニタリング調査団を編成し、派遣しました。
また、平成24年2月には、プロジェクトの実績を確認するとともに、SATOYAMAイニシアティブの行動指針に基づく5つの生態学・社会経済学的視点に評価5項目を加えて評価を行いました。

平成23年度

ラオス人民民主共和国 「住民参加行動型の持続可能な農業・天然資源管理プロジェクト 終了時評価調査報告書」
報告書 ダウンロード(PDF)
ラオス人民民主共和国 「住民参加行動型の持続可能な農業・天然資源管理プロジェクト 中間モニタリング調査報告書」
報告書 ダウンロード(PDF)

調査団員がスライドを作成いたしました。現地の状況が視覚的に紹介されています。
中間調査スライドショー ダウンロード(PDF)

環境プロジェクトファインディング事業

開発途上国などにおける環境関連課題(大気汚染、水質汚濁、廃棄物等)に対し、OECC会員が有する専門技術的な優位性を活かしてその対応を検討することを目的とする調査を、会員団体から募集しており、その実施を一部支援しています。ここで得られた結果は、一般に公開するとともに、国際環境協力へのワンステップとして活用されるよう各方面へ働きかけを行っています。

平成20年度は、(株)環境総合テクノスが本スキームを利用して「ベトナム・ハロン湾のマングローブ修復植林及び流入河川上流部の露天掘り炭鉱跡地の修復植林」調査を実施しています。

平成20年度 『ベトナム・ハロン湾のマングローブ修復植林及び流入河川上流部の露天掘り炭鉱跡地の修復植林』
(株)環境総合テクノス
平成19年度 平成19年度 『インドのダイオキシン類を中心としたPOPs分析能力開発支援計画』
(株)日吉
平成18年度 『中華人民共和国最終処分場安全閉鎖技術移転調査』
日本技術開発(株)

自主研究会

OECCでは、具体的な対策や解決手法の開発が求められている様々な環境問題や環境分野の課題について、会員団体が自主的に集い、調査、研究を行う機会や場を提供し、必要に応じて有識者等を招聘するなどして的確な情報収集や分析を行ない、その対応を検討してきました。ここでは、会員間の交流により新しいアイデアが発現するなど、環境ビジネスモデルの検討と適用可能性を探ることが出来ます。

平成19年度 水環境衛生技術研究会
平成19年度 中古機材の活用について
平成18年度 開発途上国におけるし尿処理普及研究会
平成17年度 参加型研究会
平成16年 廃棄物分野における国際協力のあり方

報告書ダウンロード(PDF)

環境プロジェクトファィンディングによる各事業概要

平成19年度『インドのダイオキシン類を中心としたPOPs分析能力開発支援計画』
(株)日吉

事業の目的

インドにおけるダイオキシン類を中心としたPOPs対策の政策、分析能力及び必要設備設置の現状を調査し、インドが早急にPOPs対策を行えるように、POPs条約の行動計画を実行する際の手助けとなる分析能力開発を提案し、本調査事業をODA案件へと発展させ、環境分野における国際協力に資することを目的とする。

調査対象プロジェクトの問題点・その改善策

POPs実施の問題点

ダイオキシン類、PCB等の毒性、難分解性、生物蓄積性および長距離移動性を有する残留性有機汚染物質からヒトの健康の保護と環境の保全を図る目的の「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)が2004年5月17日に発効した。この条約では、POPsによる地球環境汚染は先進国や一国のみの対策では防止できないことから国際的に協調・協力してPOPsの削減・廃絶を行うこととなる。インドも2006年1月にPOPs条約に批准し、行動計画提出期限が2008年になっていることもあり、(1)POPsの適正な管理()2処理(3)モニタリング(4)情報提供⑤教育など役割を果たすための具体的な調査が必要となっている。

しかし、インドのような広大な国では、ダイオキシン類汚染の実態を把握し、対策を立て、実施するには非常に困難である。その理由として下記のようなことが考えられる。

  1. 国民がPOPsやダイオキシンに対する危険性の認識が低く、周知体制が出来ていない。また、特にダイオキシン類の調査研究は殆どEU、アメリカ、日本のような研究機関や企業に依存している。
  2. 企業がPOPs対策技術開発の必要性を認識していない。
  3. ダイオキシン類の計測と分析に関する大きな問題がある。
  1. サンプリング、前処理、分析の公定法がないため、基準となるものがない。
  2. 高価な前処理設備や測定機器、高純度な標準品、溶剤が必要のため、開発途上国では調達しにくい。
  3. ダイオキシン分析の機器分析法は、一般的に高度な分析技術が必要なため、オペレーターの養成に時間がかかる。
  4. 機器分析法の分析工程が長いため、分析の前処理や測定に時間がかかる。
  5. インドのような開発途上国では電力不足と一定かつ安定な電力の供給が困難のため、HRGC/HRMSのコンディションが安定せず、分析結果が影響される。
  6. HRGC/HRMSは通年に安定かつ継続可能なコンディションを維持するために、定期的に保守点検が必要となっている。その保守点検費用が高いため、開発途上国では負担が大きく継続維持が困難である。

一方、先進国では、ダイオキシン類による環境汚染が1990年代から大きな社会問題となり、その対策として法律整備を行う中で、分析方法についても、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(HRGC/HRMS)を用いる方法を標準法として行っていたが、以下のような同様の問題があった。

  • 測定結果が出るまで数週間かかる。
  • 測定に高額なコストがかかる。
  • 多検体測定を行うことが困難である。
  • 分析技術の習熟が困難である。

従って、標準法は発生抑制を目的とした日常測定や土壌汚染などスクリーニング、分解・除去実験のデータ取りに不向きである。このような背景から、ダイオキシン類をより早く、より安価に、しかも高感度に分析できる簡易・迅速法として様々な生物検定法が開発され、限定的ではあるが、標準法として認定されてきている。
途上国等では、ダイオキシン類の調査自体事例が少なく、調査しても、先進国からの援助・協力を受け、先進国への分析を依頼する形となる。POPs(特にダイオキシン類)は、世界的規模で対策が必要であり、各国での対応が必要となる。HRGC/HRMSのような高価な装置を途上国で運用することは困難である。そこで、バイオモニタリングツールとして、生物検定法の一種であるCALUX法を提案し、途上国内での運用に結びつけるためのパイロット事業を行う。

改善策
(1)POPsの認識や周知不足の改善対策
ワークショップ及びデモンストレーション等を開催し、認識を高めることが効果的であると考える。本調査では、3箇所でワークショップを開催したが、内容としてPOPsやダイオキシンをテーマとしたのが初めてなので、格別に注目された。しかし、企業の参加が殆ど見られなかったので、今後は幅広く行政機関、大学に加えて企業の参加の下に、ワークショップを開催し、産官学にPOPs対策の重要性を周知するのが効果的と考える。
(2)POPsのモニタリング方法(サンプリング方法、測定方法)など法規制の確立
現在、インドにおけるダイオキシン類やPOPsに関する法律は有害廃棄物(管理及び取扱い)法に定めているが、しかし、具体的にサンプリング方法、測定方法や規制値、測定義務などは決めていない。したがって、POPsのモニタリング方法(サンプリング方法、測定方法)など法規制を確立し、POPs対策をいち早く対応してもらいたい。
(3)HRGC/HRMS法の併用による生物検定法の活用
インド各地には、汚染源が点在しており、調査が必要である。広範囲かつ多数の調査を)HRGC/HRMS法で確認していくことは非常に困難であるが、生物検定法を用いたバイオモニタリングを行うことは可能である。インドにおけるPOPs対策を行う上で重要なことは、その管理計画を策定し必要な施策を計画的に実践することであるが、そのためにまず実態を把握することが必要である。その実態把握は、自国での分析が優先事項である。途上国でのHRGC/HRMS分析は、費用・教育等の面で困難であるが、CALUX法では、開発途上国であるラオス国での枯葉剤・PCB影響によるダイオキシン類のバイオモニタリングの経緯もあり、今回、インドにおいてもCALUX法で実態を把握し、詳細調査を先進国の機器分析法(HRGC/HRMS法)を使用する併用型の有効性が認められ、一部(ダンピングサイト等)では、実態調査で調査すべきサイトがあることがわかり、POPs対策ツールとしての活躍を期待することができる。

(報告書から抜粋)

平成18年度 『中華人民共和国最終処分場安全閉鎖技術移転調査』
日本技術開発株式会社

事業の目的

本調査は、中国都市部の処分場をモデルサイトとして、既設最終処分場の改善・安全閉鎖に資するプロジェクトの、ODA 案件(無償資金協力、技術協力等)としての発掘・形成の可能性を検討したものであり、中国国内の他施設への技術適用など、環境分野における国際協力に資することを目的とする。

まとめと今後の方針

本調査を通じて、プロジェクトの実施ニーズや現地中央機関、市政府等の、既設処分場改善の必要性の認識及びその実施に際しての協力姿勢等が確認され、日本の技術協力による既設処分場改善対策のモデルプロジェクトの実施が期待されている。

本プロジェクトの推進に当たっては、既設処分場の実態を十分把握し、必要に応じ、処分場の適正化対策導入技術を実証するとともに、最終的には少なくとも省レベルにおいて「既設処分場の改善及び安全閉鎖」等に関する技術基準の策定や技術マニュアルの作成を連携・協働して行うことが期待されている。

今後は、モデルプロジェクトサイトにおける、サイトの現況特性、汚染状況に応じた適正化技術の選定・実証を行うとともに、他のサイトにも適用可能な適正化方策の設計に資するモデル条件等を検討し、技術マニュアルを策定することが重要である。さらに、技術マニュアル策定後は、各処分場の特性に応じて、中国国内の他施設への対策技術の適用・移転を図る必要がある。

技術マニュアル策定及び今後の対策技術支援に際して、例えば中国の技術コンサルタントや環境設計院との連携・共同や、中国と日本の各大学・研究機関との共同研究などにより、技術支援が可能である。また、現在、中国国内で検討されている処分場の適正閉鎖に関する法律の制定に関しても、日本が有する知見を提供できる。さらには、技術マニュアルの策定によって、各処分場の状況に応じた技術選択も可能となるため、中国国内の数多くの既設処分場の改善及び安全閉鎖に貢献することが大いに期待できる。

今後、各方面でのより具体的な検討が期待されるところである。

(報告書から抜粋)

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