OECCは2025年2月27日ウズベキスタンにて開かれたJCMセミナー、および3月4日、インドにて開催されたJCM(二国間クレジット制度)関連セミナーにて、事務局を務めました。
両セミナーともOECC研究員が登壇し、JCM案件形成におけるポイントについて紹介しました。各イベントにおける取り組みをご報告します。
ウズベキスタンJCMセミナー:初の現地開催
2月27日にウズベキスタン・タシケントで実施されたセミナーは、ウズベキスタンがJCMのパートナー国となって以来初めて、現地で開催されたJCMセミナーとなりました。目指したのは、ウズベキスタンにおけるJCMの普及とJCM事業形成の推進。ウズベキスタン政府から脱炭素目標やJCMへの期待、カーボンマーケットに関して紹介があり、日本からはJCMの基本概要や優良事例、資金スキーム等を説明しました。閉会後は、ビジネスマッチングの機会を設け、活発な交流が行われました。
対面参加者は約150名、オンラインでも50名ほどの参加があり、関心の高さが伺えました。
OECCは事務局として、イベント全体の調整、プログラム企画、参加者対応、会場運営などを担い、環境技術や課題のソリューションへの理解促進や技術交流を円滑に進める基盤を提供しました。
セミナーではOECC研究員が、JCM事業形成におけるポイントをお伝えしました。講演後、多くの参加者が研究員のもとに質問を寄せ、前向きな議論が続けられました。
今回のセミナーをきっかけに、OECCのできる貢献をしながら、今後も関係省庁や機関等とスムーズな連携を図り、ウズベキスタンにおけるJCM案件形成を一層推進してまいります。
動画で現場の雰囲気をお伝えします(動画作成:ウズベキスタン経済財務省)
日本・インド環境ビジネス促進セミナー:JCM締結に向けた期待が示される
3月4日にインド・ニューデリーで行われたセミナーでは、現地の環境問題の解決と持続可能な社会の構築に貢献する技術や取り組みについて情報が提供されました。対面のみの開催でしたが、登壇者も含め約120名の参加がありました。
はじめに、JCMの概要、プロジェクト開発の流れ、FS調査および資金支援事業の事例についての発表がありました。OECC研究員も、JCM案件形成について紹介し、参加者からはJCMに関する二国間文書の署名へ向けた期待が示されました。
続けて日本およびインド企業から有望な技術や取り組みに関してビジネスピッチが行われました。パネルディスカッションでは、脱炭素社会や持続可能な社会の実現に向けた日本・インドの協力の可能性、インドのネットゼロ社会に向けた技術協力の役割について政府機関・民間企業・開発機関を交えて議論が交わされました。
セミナー後のビジネスネットワーキングイベントでは、両国の企業間での商談が盛んに行われました。
動画で現場の雰囲気をお伝えします
セミナー前後の日程でOECCは、環境省関係者とともに現地の日本企業やインド環境・森林・気候変動省等を訪問し、JCMの可能性についてヒアリングしました。インドではすでに、多くの脱炭素技術が商用化フェーズに入っているため、追加性がとても重視されています。JCMに求められていることは、脱炭素が難しいセクターにて難易度の高い脱炭素技術の導入を可能とすることや固有性の高い技術の実装、そしてCAPEXの低減などと、伺いました。
現地の日本企業は補助金やクレジットの将来価値に期待している模様です。
OECCは引き続き、日本・インド間におけるJCMに関する二国間文書の署名を支援してまいります。
参考:【開催報告】日本・インド環境ビジネス促進セミナー(炭素市場エクスプレス)
セミナーの様子
各セミナーの様子を動画でご覧いただけます。
ウズベキスタンJCMセミナー