OECCについて

理事長 挨拶

竹本 和彦

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大については、国内外共にワクチン接種率の向上にともない、ようやく落ち着きの兆しも見出されつつあるものの、まだまだ予断を許さない状況にあるといえます。こうした中、コロナ禍への対応としてオンラインを活用した在宅勤務が定常化する傾向にあり、OECCにおいても可能な限り在宅勤務を中心とした業務体制を基本としつつあります。

さてこの度、英国グラスゴーにおいて開催されていたCOP26は、「グラスゴー気候合意」(Glasgow Climate Pact)を採択して閉幕しました。この合意では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える努力を追求することが明記されました。一方、石炭火力の扱いを巡り議論が最終段階までもつれ込み、結果的に「排出削減策のない石炭火力を段階的に削減していく」ことで最終決着となりました。また各国は、必要に応じ削減目標を来年までに更新することが要請されるとともに、パリ協定採択以降懸案となっていた排出削減量の国際取引に関する規定についても合意に至りました。さらに気候変動適応策への支援資金を2025年までに2019年から倍増することが要請されるなど、今後脱炭素社会実現に向けた途上国との協力が一層加速することが見込まれています。

また環境インフラの海外展開について日本政府は、昨年決定した「インフラシステム海外展開戦略2025」(いわゆる「新戦略」)の中でカーボンニュートラルとSDGs達成への貢献を優先施策として位置付けています。この流れを受けて環境省は、持続可能なインフラを目指す「プラットフォーム」
“Japan Platform for Redesign: Sustainable Infrastructure”(JPRSI)を推進しており、民間事業者、自治体、金融機関など幅広いステークホルダーの連携の下、その活動がダイナミックに展開されています。OECCは、このプラットフォームの事務局として、プロジェクトファイナンスの専門家を招くなど各種セミナーの連続開催などを通じ、JPRSIの活動に貢献しています。

OECCは、昨年設立30周年を迎え、先日設立30周年記念誌を発刊しました。その中に今後10年先におけるOECCの在り方を見据えた「OECC中期展望2021」を収録しています。この中期展望では、OECCは直面する課題への解決を見出し、与えられた枠組みの中で仕事をこなしていくこれまでの役割から一歩踏み出し、海外環境開発協力に関する国内外の議論をリードしていく、いわゆるフロンティアとしての役割を果たしていくことを目指しています。

このように気候変動対策や持続可能な社会構築に向けた国際社会が急速な展開を見せる中、OECCはこれまでの活動経験を踏まえ、国内外の知的ネットワークをフルに活用し、今後とも海外環境開発協力分野における我が国の中核的組織としての役割を果たせるよう努めてまいりますので、引き続き皆様方のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人 海外環境協力センター

理事長竹本 和彦