2025.11.27

JICA適応研修[訪日研修]の成果

シニアプロジェクトフェロー 家本 了誌

 OECCでは、2000年代中盤より地球温暖化研修を皮切りに、気候変動関連の研修業務を受託・運営しており、2020年から課題別研修「気候変動への適応」を実施しています。

 今年度(2025年度)も、約2週間の来日前のオンラインでの遠隔研修を経て、2025年9月29日(月)から10月24日(金)までの約4週間、12か国から計14名の研修員を迎え、JICA筑波をベースに訪日研修を実施しました。

研修の目的と構成

 本研修では、「研修員の所属組織における気候変動への適応に関する政策や施策の策定または改善に向けた取組が計画されること」を案件目標として、座学での講義に加え、グループワークやディスカッションなどの演習、関連施設や取組の視察・見学、国内研修旅行、そして研修員の成果物であるアクションプランの作成・発表を行いました。

研修プログラム:講義・演習

 講義では、JICAや日本政府による気候変動対策の紹介を皮切りに、過年度の研修員による経験談を踏まえた講義や、遠隔研修で実施済みの複数オンデマンド講義の振り返りなどを行い、気候変動適応策に関する知見を高めました。また、プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)の講義および演習(グループワーク)を通じて、論理的かつ効果的な問題解決の手法を学び、研修員自身のアクションプラン作成に役立てました。

研修プログラム:視察・研修旅行

 視察プログラムでは、筑波の立地を活かし、同市内に位置する国立環境研究所や気象研究所、森林総合研究所、水災害・リスクマネジメント国際センター(土木研究所)を訪問し、様々な機関による気候変動適応策の取組や、最前線で活躍する研究者による研究活動について学ぶ機会を提供しました。

 東京では環境省や農林水産省担当官による講義および意見交換を行い、埼玉県ではインフラ建設・整備による首都圏の洪水対策について、首都圏外郭放水路の訪問を通じて学びました。また、自治体の気候変動対策を学ぶため、さいたま市への訪問も実施しました。

 加えて、3泊4日の沖縄・久米島研修旅行も行い、久米島での海洋温度差発電(OTEC)や海洋深層水の利活用、熱帯地域での農業分野における気候変動対策(品種・栽培技術改良など)、ブルーカーボン生態系の実態見学、低炭素排出型住宅(ZEH)の訪問・視察、沖縄科学技術大学院大学にて大学研究者とのディスカッションなどを実施しました。

研修結果(アクションプラン)の発表

上述の講義や視察プログラムと並行して、研修員のアクションプラン作成指導も行い、各研修員が抱える課題解決のための取組について、OECC職員も共に考えました。PCM手法などを用いて課題や関係者の分析、解決アプローチの選択などについて助言を加えながら、アクションプランの作成を進めました。研修終盤には同プランの発表会を開催し、JICA本部(地球環境部)やJICA筑波の職員などを前に、研修員による研修受講成果を含めたアクションプラン内容のプレゼンテーションを行いました。

 無事、14名の研修員は全ての研修プログラムに参加し、JICAより修了証が授与されました。また、研修終了後も、オンラインでのコミュニケーションツールを介して、14名の研修員のネットワークは維持されており、互いの気候変動適応策の取組などについて情報や意見交換を行っています。

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