2026.03.25

企業のGHG排出量算定・報告に関する制度的調和の促進
-ASEAN各国の環境・金融部門の政府関係者を招聘した国際ワークショップの開催支援-

 環境省、アジア開発銀行研究所(ADBI)、アジア開発銀行(ADB)は企業の負担軽減に資する制度的調和について議論を深めるべく、2026年2月に東京で国際ワークショップを開催し、OECCは当該イベントの企画運営を担いました。

GHG排出量の算定・報告

 OECCが事務局を務める環境省の取組「PaSTI」は、各国の制度構築支援を通じて、企業や事業所レベルの透明性促進の支援をしています。

 温室効果ガス(GHG)排出量の算定・報告は、脱炭素社会形成の土台づくりとして対応を求められるテーマです。中でも企業によるGHG排出量の開示や算定・報告を積極的に進める透明性の向上は欠かせません。企業のGHG排出量を含む環境情報の開示は、投資家やサプライチェーンにおける関心の高まりやESG金融の観点からもその重要性は年々増大しており、アジア各国でも企業のGHG排出量報告制度等の構築・運用が進んでいます。一方で、環境規制としてのGHG排出量の算定・報告と金融分野における非財務情報の開示という観点でのGHG排出量の算定・報告については、それぞれ目的が異なることにより所管官庁、制度設計、報告フォーマット、マニュアルの整備等で違いが生まれているのが現状です。

(引用元:環境省PaSTIホームページ)

国際ワークショップの開催

 環境省、ADBI、ADBは、2026年2月25-26日にハイブリッド形式のワークショップを共催し、ASEAN域内における企業レベルのGHG排出量の算定・報告・開示の強化に向けた実務的対話を実施しました。

 白井慶応大学教授・ADBIアドバイザーらが、基調講演を行うとともに、金融庁は日本の情報開示に関する国内施策を紹介し、環境省はPaSTIなどの日本の国際支援プログラムを紹介しました。また、パネルディスカッションでは環境規制としてのGHG排出量の算定・報告・検証(MRV)とISSBに則った非財務情報開示をどう調和させ、企業の脱炭素を加速するかが議論されました。続いて、各国の環境省や金融規制当局からの参加者が、企業レベルのGHG排出量の算定・報告・開示に関する国内の進捗を報告しました。

 2日目には、企業のGHG排出量の報告や開示に係る負担軽減に向けた各国の開示制度や報告制度の在り方等について、各国の環境当局と金融当局に分かれて意見交換を行いました。その後、最終セッションでは全参加者で今後の方向性について議論を行いました。

 本ワークショップを通じて、環境分野の算定・報告制度と情報開示制度との調和を図るためには省庁横断的な対話を継続することが重要であるとの共通認識が確認されました。

ネットワーク形成と国際ワークショップの開催支援

 OECCは、PaSTIの事務局として、本イベントの内容構成から、参加者の招聘、また当日の運営まで環境省や共催者であるADBI/ADBとの協議のもと開催支援を行いました。このように、一つのトピックに対して各国政府の実務担当者の横断的な招聘や、議論の集約を行うことはOECCが大切にしている「一気通貫」での業務実施や国際会議における豊富な知見に基づいて実現可能となりました。これからもOECCの経験・知見を活かした関係者ネットワークの形成や国際会議運営を行ってまいります。

Go To Top