2026.04.10

JPRSI 2025年度第6回セミナー
「脱炭素技術海外展開 優良事例発表会」開催支援

OECCは、2026年3月23日に東京都内で開催されたJPRSI(環境インフラ海外展開プラットフォーム)2025年度第6回セミナーの事務局として、全体の企画・運営を行いました。当日はさまざまな分野から対面・オンライン合わせて約160名の参加者を迎えました。

プログラム・発表資料はこちらのページからご覧いただけます。

JPRSIセミナーにおけるOECCの役割

OECCはJPRSI事務局として、JPRSIの全ての活動に関する企画・運営を支援しています。今回のセミナーは「脱炭素技術海外展開 優良事例発表会」をテーマに、対面とオンラインにて開催されました。

環境省がこれまで実施してきた「途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業」「コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業」「二国間クレジット制度資金支援事業のうち水素製造・利活用第三国連携事業」等の資金支援事業を活用したプロジェクトの中から、対象国・地域の課題やニーズに即した工夫を行い、先進的な環境技術・サービスの導入・普及に成功した5つの事例が紹介されました。セミナー終了後には名刺交換会を実施し、参加者のネットワーキングが促進されました。

脱炭素技術海外展開の優良事例紹介

環境省 地球環境審議官による挨拶では、気候変動対策が実行段階へと移行する中、日本の脱炭素技術を開発途上国に展開する重要性が述べられました。続いて、国内民間企業の担当者より、事業内容や取組のポイント、成果等について発表が行われ、開発途上国における脱炭素技術・サービスの海外展開に関する実践的な知見が共有されました。発表ごとに設けられたQ&Aでは、会場およびオンラインから多くの質問が寄せられ、事業実施にかかる現場の様子や事情など、具体的なエピソードに参加者は熱心に耳を傾けていました。

参加者から多くの質問が寄せられた

 

●フィリピン セブにおける廃プラスチックのセメント工場向け代替燃料へのリサイクル事業

フィリピン・セブ島における廃プラスチックを活用したセメント工場向け代替燃料化事業について発表がありました。埋立依存度の高い現地の廃棄物処理状況や、廃棄物処分場の逼迫といった課題を背景に、廃プラスチックや残渣ごみを原料としたRDF(フラフ燃料)の製造・供給事業を展開していることが紹介されました。横浜市やJICAによるプロジェクトを起点に事業化が進められ、環境省の補助事業を活用して商業プラントが稼働している点や、現地財閥企業との合弁設立のほか、自治体との連携を通じてごみの埋立量削減とCO₂排出削減を両立する持続可能な廃棄物処理モデルを構築していることが示されました。

 

●インドネシアにおけるアスファルト廃棄物を用いた循環型舗装技術の低コスト・低炭素化実証

インドネシアにおける循環型舗装技術を活用したリサイクルアスファルト事業の取組が発表されました。道路舗装技術の未成熟やアスファルト材料の輸入依存、環境負荷の増大といった現地の課題を背景に、舗装廃材を再利用する循環型舗装を導入することで、資材使用量およびCO₂排出量の削減を実現していることが説明されました。また、現地で植物由来の再生添加剤を開発・活用することで、コスト低減と脱炭素化の両立を可能としており、これらの技術が日本国内へ逆輸入され、地域のインフラ整備や脱炭素に貢献していることが紹介されました。

 

 

●フィリピン公共交通における配車最適化による渋滞改善と再生可能エネルギー由来電力の活用による低炭素化実証

フィリピン・メトロマニラのパサイ市における公共交通の最適化と低炭素化に向けた実証事業について発表されました。慢性的な交通渋滞や大気汚染が深刻化する中、EV車両と運行管理プラットフォームを活用し、公共交通の等間隔運行や需要予測に基づく運行調整を実施した取組が紹介されました。再生可能エネルギー由来電力の活用によるCO₂排出削減効果の試算や、コロナ禍や行政手続きといった制約下での現地調整の工夫が共有されるとともに、本実証で得られた知見が他国展開やスマートシティ分野への応用につながっていることが示されました。

 

 

●極寒冷地のための地中熱・太陽熱ハイブリッドヒートポンプ暖房システムの実証(モンゴル)

モンゴル・ウランバートル市における寒冷地向け地中熱・太陽熱ハイブリッドヒートポンプ暖房システムの実証事業について発表されました。石炭依存による大気汚染と温室効果ガス排出が深刻な課題となっている寒冷地域を対象に、再生可能エネルギーを活用した電化暖房システムを導入することで、CO₂排出量および大気汚染物質の大幅削減に貢献することが紹介されました。厳しい気候条件を踏まえたシステム設計や遠隔監視の導入など、安定運用に向けた工夫とともに、中央アジア地域への普及・展開に向けた展望が示されました。

 

 

●ニュージーランドで製造した地熱発電由来グリーン水素のフィジーへの輸送および水素混焼発電機による利活用の実証事業

ニュージーランドで製造した地熱発電由来グリーン水素をフィジーで利活用する第三国連携実証事業について発表されました。再生可能エネルギーが豊富な近隣の第三国で水素を製造し、既存のディーゼル発電機を改修して利用可能な水素混焼発電技術を活用することで、島嶼国における脱炭素化の可能性を検証した取組が紹介されました。水素輸送コストや設備導入に関する課題にも触れ、将来的な地産地消型水素モデルや再生可能エネルギーのさらなる拡大と組み合わせた事業化の方向性について知見が共有されました。

 

セミナーで得られた成果

活発な意見交換が行われた

 セミナー終了後には、参加者と環境省担当官、登壇者との間で名刺交換・交流会を実施しました。登壇者のもとには多くの参加者が名刺交換や挨拶に訪れ、終了時刻まで交流が途切れることなく続きました。また、セミナー後に個別の問い合わせや打合せにつながったなど、新たなネットワーク形成や今後の連携に向けた交流の機会となりました。

 

OECCにとってJPRSIセミナーの開催支援は、海外環境開発のさらなる展開に向けた、重要な業務です。今後も関係機関と連携しながら、持続可能な未来のために力を尽くしていきます。

JPRSIの活動

JPRSIのウェブサイトでは、環境インフラ海外展開に関する様々な情報を提供しています。本セミナー活動記事もあわせてご覧ください。

Go To Top