理事長メッセージMESSAGE

気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が、ブラジル・ベレンにて開催されています。議長国ブラジルは、気候対策を環境政策にとどめず、開発・貧困削減・社会包摂と連携させた包括的アプローチを掲げ、「約束から実行への転換」を国際社会に強く呼び掛けています。緩和策の強化、適応策の進捗を測る指標づくり、「気候資金に関する新規合同数値目標(NCQG)」の具体化など、実効性ある議論の前進を目指しています。一方、今回米国が代表団を派遣しないなど国際的な議論の行方には不透明さが残されており、今後の動向を注視していく必要があります。

この間、海外環境開発協力分野においても重要な動きがありました。

8月のアフリカ開発会議(TICAD9)において開催された「アフリカのきれいな街プラットフォーム」(ACCP)総会では、環境省の「アフリカ廃棄物管理プロジェクト開発促進基金」の発足が発表され、数多くの関係者からの注目を集めました。

また9月には、中国・煙台で「日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)」が開かれ、今後の連携強化が確認されるとともに、同時に開催された「日中環境ハイレベル円卓対話」では、日中両国の環境政策の推進における都市の果す役割などについて活発な議論が展開されました。私自身も登壇し、今後の両国間協力の更なる発展の可能性について有意義な議論に貢献することが出来ました。

さらに10月、クアラルンプールで開催された「日本・マレーシア環境ウィーク」では、福島県から大学生が「ふくしまカーボンニュートラルアンバサダー」として参加し、次世代の視点から環境課題の解決に向けた行動を世界に呼び掛けるとともに、将来に向けた幅広い取組について、多くの現地参加者とも共有することが出来ました。

OECCは、これらの国際的取組を通じ、海外環境開発協力分野における中核的組織としての役割を果たすべく、今後とも持続可能な社会構築に向け一層尽力してまいります。

2025年11月18日
一般社団法人 海外環境協力センター 理事長
竹本 和彦

メールマガジン「OECC LETTER」内の理事長メッセージは、以下からご覧いただけます。

Go To Top