2025.07.04

JICA技術協力プロジェクト支援 マレーシア・サラワク州

主任研究員 玉井 暁大

 OECCは2025年6月、気候変動対策に積極的なマレーシア・サラワク州にて、JICAの技術協力プロジェクトの一環として温室効果ガス排出の透明性向上に関するワークショップを開催しました。OECCの専門性を活かし、地方政府や民間企業との連携を通じて持続可能な未来への貢献を果たしました。

積極的な気候変動対策

 サラワク州は、マレーシア連邦を構成する地方政府のひとつであり、日本の都道府県よりも広い裁量権を有しています。気候変動対策に積極的に取り組んでおり、2050年までにネットゼロ排出の達成を目指すとともに、2025年5月には「Sustainability Blueprint 2030」を発表しました。

これらの施策の一環として、JCM(二国間クレジット制度)やCCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)にも強い関心を示しており、2027年までに州全体の温室効果ガス排出インベントリの作成を計画しています。

OECCの役割

 OECCは、気候変動に関する透明性の向上やフロン類の排出削減において、高い専門性を有しています。

 透明性とは、温室効果ガスの排出量を定量的に把握し、緩和策の進捗を管理し、国レベルで統合・報告する仕組みです。フロン類の排出削減に関しては、日本政府が主導する冷媒のライフサイクル管理推進事業に参画し、技術的支援を行っています。

 今回のワークショップは、JICAの「マレーシア国 強化された透明性枠組み下での国連気候変動枠組条約(UNFCCC)国家報告書作成のための能力強化プロジェクト」の一環として開催されました。

OECCはイベント全体の統括を担い、各トピックに関する話題提供を行いました。30名以上の参加者が集まり、途上国では比較的新しいこれらのテーマについて、活発に意見が交換されました。

また、連邦政府と州政府の政策協調についても議論され、国家排出削減目標の効率的な実施に向けた基盤づくりに貢献しました。

今後の取組

 OECCは今後も、マレーシアの連邦政府のみならず、地方政府とも連携しながら、排出削減プロジェクトの実施に取り組んでいきます。

サバ州政府に対しても、近日中に同様のイベントを開催する予定です。マレーシアにおけるOECCの活動について続報をぜひお待ちください。

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