MOP37では、オゾン層の保護とHFC削減を進めることを目的として、政策や技術、支援の方向性について国際交渉がおこなわれました。2025年11月3日から11月7日にケニア・ナイロビで開催されたMOP37に、OECCから加藤理事(気候と大気浄化の国際パートナーシップ〈CCAC〉クーリングハブ共同議長)が参加しました。
MOP37では交渉と並行して様々な会合が開催されました。各国政府、国際機関、民間企業など多様な関係者が参加し、フロン冷媒(ODS/HFC)のライフサイクルマネジメント(LRM)を中心に、世界的な冷媒管理のあり方や支援の方向性について活発な議論が行われました。途上国での法整備の進展や、冷媒回収・破壊の最新事例、また国境を越えた技術移転や資金調達モデルなど、持続可能な冷媒管理に向けた動きが着実に広がっていることが確認されました。
CCACクーリングハブ会合
11月3日に開催されたCCAC会合には100名以上が参加し、①フロン類のライフサイクルマネジメント(LRM)、②省エネルギー、③環境ダンピングの3分野について、各国や機関が取組み状況を共有しました。
特に①LRMでは、ベトナム・トルコ・グレナダ・カンボジアなど途上国における法制度整備の進展や、UNIDOによる使用済み冷媒破壊施設(エジプト・チュニジアなど)の紹介が注目を集めました。また、民間企業によるボランタリー炭素クレジットを活用した冷媒破壊事例も報告され、LRMが着実に実施段階へ移行していることが認識される会合となりました。

CCACクーリングハブ会合のアジェンダなど、詳細はこちら
CCACサイドイベント:Achieving Multiple Benefits and Quick Results through National Lifecycle Refrigerant Management (LRM) Plans


11月4日に開催された本イベントでは、フロン類のLRMに関する事例と、各国がLRMを計画的に進めるための「国家行動計画(NAP)」ガイドライン案について議論されました。事例紹介では、OECCが支援するベトナムでの電子トラッキングシステム構築事業を紹介しました。また同国政府より、2025年12月から民間企業によるパイロット導入を開始する計画が報告されました。ガイドライン案では、省庁連携の方法やEPR制度*との関係整理、さらには重要な要素であるシリンダ管理**についても意見が寄せられました。
*EPR制度:拡大生産者責任制度。製品の製造者・輸入者が、製品の使用済み後のリサイクルや廃棄まで責任を負う仕組み。ベトナムのEPR制度は、2020年環境保護法、2022年政令08号で導入がおこなわれましたが、本格的な実施は今後予定されており、エアコンや冷蔵庫等の家電リサイクルと合わせたフロン回収については、新たに取り組むべき課題となっています。
**シリンダ管理:使用済みフロンの回収・運搬を行う際に用いるシリンダ(ボンベ)を適正に管理することで、再生冷媒の品質管理、取り扱われる量の測定・報告・検証(MRV)をおこなうことができます。
途上国向けのLRM実施のための国家計画作成のガイドライン案など、詳細はこちら
Carbon Containment Lab 主催サイドイベント:冷媒のLRMループの完結-世界のODS/HFC使用済み廃棄物の破壊能力とLRMインフラの資金調達ニーズ
本イベントでは、世界のODS/HFCの破壊能力を可視化するデータセットの公開を受け、LRMインフラをどのように整備し、資金を確保するかが主要テーマとして議論されました。国際金融機関や地域開発銀行、炭素市場など、多様な資金源を組み合わせる可能性が提示されました。
OECCの加藤理事は、日本の二国間クレジット制度(JCM)が持つ、MRVの厳格性やパリ協定6条2項に基づく管理の仕組みについて紹介し、十全性を重視した、質の高い炭素クレジット創出の経験を共有しました。

加藤理事の発表資料など、詳細はこちら
OECC 今後の取組み
OECCは、フロン類のLRM推進に向けて、各国政府・国際機関・民間企業との連携を一層強化します。特に、途上国での制度整備支援や電子トラッキングなど実証事業の展開を通じて、GHG排出削減と持続可能な冷媒管理体制の構築にこれからも貢献していきます。

関連リンク
冷媒(フロン等)の使用・回収・破壊までのライフサイクル管理(LRM)を推進し、気候変動対策や循環型経済の促進に向けた政策支援・協力事業、資料やイベント情報を発信しています。
○MOP37特設ページ
