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活動について

フロン対策

温暖化が進行する地球を冷やすフロン対策

モントリオール議定書の下、国際的にはエアコンや冷蔵庫の冷媒として使用されてきたオゾン層破壊物質(ODS)の規制により、生産や消費量の削減が進んでいます。他方、その代替物質として導入されているハイドロフルオロカーボン(HFC)は、オゾン層を破壊しないものの、強い温室効果を持つ特性があり、気候変動対策の観点から新たな対応が求められています。OECCでは、環境省が2019年12月に立ち上げた「フルオロカーボンのライフサイクルマネジメントに関するイニシアティブ(IFL)」の事務局として、温室効果がない・もしくは少ない冷媒への転換、冷凍空調機器の使用時の漏洩防止、今後廃棄される機器からの冷媒の回収とその処理の必要性について国際的な情報発信を推進しています。また、東南アジアをはじめとする途上国に対し、関連する法令や制度構築、技術マニュアルの策定、セミナー開催等の支援を行っています。

 

国際社会をリードするフロンと気候変動対策に関する発信

冷凍空調機器に含まれる冷媒として用いられているODSやHFCについて、モントリオール議定書に基づいてODSは生産・消費のフェーズアウト、また、オゾン層を破壊しないものの温室効果が高いHFCについてはフェーズダウンを進めることとなっています。しかし、それらの規制が強化されるまでの間、市場に出回っているODSやHFC(これらを「フロンバンク」と呼ぶ)の対策は、同議定書の対象外であり、各国の自主的な取組に任されています。日本政府は、フロンバンク対策を実施することは、パリ協定の下でのネットゼロエミッションの実現に向けて不可欠であるとして、国際社会に向けてその対策の推進を呼びかけています。IFL事務局であるOECCは、気候と大気浄化の国際パートナーシップ(CCAC)と協力した政策担当者向けのグッドプラクティス事例集の作成や、COP等におけるサイドイベントの運営を行うことで、日本政府による国際的な議論のリードを支援しています。

COP26(英・グラスゴー)におけるサイドイベント(英語・YouTube)

 

アジア諸国の政策担当者を対象とした研修の実施

アジアを中心とする開発途上国・地域においては、経済成長に伴い、冷凍空調機器の需要が急速に高まっています。しかし、それらに用いられるフロン対策が追いついていないことが多く、各国の政策担当者の能力強化が急務であるといえます。OECCでは、IFLの支援プログラムの一つとして、ASEAN諸国やインド・スリランカ・モンゴル等の10か国を対象として、グループ研修を実施し、日本の「フロン排出抑制法」に関する経験の共有や、各国によるカントリーレポート・アクションプランの発表を通じて、アジア地域での知見の向上の取組を進めています。

ベトナム政府によるフロン対策の進展にかかる発表(オンラインにて実施)

 

フロンのライフサイクルマネジメントに関する教材動画の作成

フロンのライフサイクルマネジメントの取組が開始された当初は、コロナ禍の影響で、国際的な往来が著しく制限された時期でした。そんな中で、日本の先進技術や、関連する具体的な作業に関する現場視察を代替する手段として、前述のオンラインセミナーで使用する動画を、手探りで作り始めました。
途上国の関係者に実感を持って伝えるため、日本の関係機関や民間企業の皆様に様々なご協力をいただきました。

これら教材動画や国際ワークショップの模様等を、Youtubeチャンネルで公開しています。
FLUOROCARBON OECC(YouTubeチャンネル)

特に日本語でもご覧いただける教材動画は、以下の通りです。

冷媒の漏洩しない機器の設置と、空調機器の冷媒の漏洩検出機能(YouTube)

冷媒の漏洩検出装置(YouTube)

機器からの冷媒の回収(YouTube)

廃冷媒の破壊処理(YouTube)

冷媒の再生処理(YouTube)